COZUCHIの「虎ノ門再開発プロジェクト フェーズ1」の2次募集が開始され、投資家から不満や不安の声が上がっています。
自分なりの考えを率直に書いていきたいと思います。
虎ノ門再開発プロジェクトのファンド詳細は以下の記事をお読みください。
[記事] COZUCHIの虎ノ門再開発ファンド!利回り4%でメリットはあるのか?
7日間で約7.5億円(約50%)の応募がありました。
COZUCHIは「これまでのCOZUCHIのファンドとはタイプも違い、独自の配当ポリシーは変わらないものの想定利回りは低く、投資家の皆様がCOZUCHIに求められるニーズとは一定のずれがあったと認識しています」と発表しています。
しかし、個人的には7.5億円を集めたことは十分な結果だと認識しています。
・5月05日 / 代々木公園事業用地 / 利回り10.0% / 応募額 37.8億円
・5月23日 / 六本木事業用地Ⅱ フェーズ2 / 利回り10.0% / 応募額 23.8億円
・5月30日 / 新宿区 事業用地 フェーズ1 / 利回り6.0% / 応募額 15.3億円
他ファンドより応募額が少なかったことは、利回りの低さ(4.0%)、他ファンドに資金が吸収されたこと、安全性がメリットだと認識されなかったことが要因です。
・運用開始日などの当初ファンドスケジュールに変更は無い
・1次募集に投資した人には無条件で特別優先権を付与
・2次募集に投資した人には50万円以上の投資で特別優先権を付与
・自己信託スキームの採用
特別優先権と自己信託スキームの採用により応募が増えるのかが見どころです。
両方とも魅力のあるアップグレードです。
特別優先権はAmazonギフト券プレゼントキャンペーンなどとは異なり、事業者のコストが増えない良い手段だと感じました。
2次募集で残り7.5億円が埋まることはないと思うので劣後出資は増えるはずです。
さすがに全体17億円に対して9.5億円(55.8%)の劣後出資は大きすぎるので、当初の計画とは異なりますが2次募集に対して不満はありません。
理想論ですが「投資家とファンド運用者は仲間でありたい」と考えています。
≪2次募集後≫
全体17億円(募集額15億円)に対して約9億円の応募がありました。
最終的な劣後出資比率は約47%です。
しかしながら、何とかして本ファンドのような契約・決済スケジュールの場合でも自己信託スキームを活用できないかと、再度、弁護士・公証役場と協議をした結果、契約決済スケジュールが近接する場合(手付金を支払済みの場合)であっても、自己信託設定のための自己信託設定証書の条文を見直すことにより、決済前(所有権移転前)であれば事後的に自己信託の設定が可能であるとの見解を得ることができました。
「自己信託スキームを採用するために工夫してくれた」という気持ちと、「そんなにあっさりと以前の言い分が覆ってしまうのはどうなのか」という気持ちがあります。
この状況での自己信託スキームの採用についてはモヤモヤが残るため、COZUCHIに疑問点や今後の方針を問い合わせています。
≪COZUCHIの回答≫
信託について関係各所と話し、現状の適用条件をニュース掲載しました。
自己信託によるデメリットは、売主にも協力してもらう必要などあるという意味での手間と、コストがかかることです。
https://cozuchi.com/ja/news/jikojinntaku/
・希望するファンドへ優先的に出資申込できる権利
・抽選方式の優先募集に限り使用可能
・申込金額の上限は無い(ファンドごとの応募上限はある)
・使用できる回数は1回のみ
・使用できる期間は付与後1年間
・優先募集に申し込みをして落選した場合は未使用と判定
なかなか魅力的な権利です。
特に「申込金額の上限無し」という部分に興奮します。
ただし、今後も頻繁に発行されると困ってしまいます。
一番の要因は高利回りファンドの保全が手厚すぎることだと思います。
例えば利回り10%の代々木公園ファンドでは、
また、利回り13%の学芸大学ファンドでは「決済が進まなくてもTRIAD社が買い取り予定」と説明されています。
投資家としてはCREALの「Q stay and lounge 上野」のように、ファンド運営者の資金余力の範囲内なら助けてもらえるという感覚が拭えません。
つまり、結局は事業者リスクで決まるなら高利回りのファンドに投資したほう得だと考えてしまいます。
唯一の例外としてオーナーズブックの「大阪市中央区ホテル素地」は「評価額が当初のマイナス36%となった」と発表しています。
他の要因としては、
大きな事件が起きたわけではありませんでした。
引っかかりを感じたのは自己信託スキームの部分ぐらいです。
ストレスは判断力の低下につながるため、COZUCHIやTRIAD社のスタッフや経営陣には堅実で無理のない運営を続けて欲しいと思います。
評価 | A | COZUCHI(こづち)の公式ホームページ |
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