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日本のソーシャルレンディングの歴史!maneo撤退、SBI撤退、不動産クラファン拡大

初回:2018年5月22日 | 更新:2022年6月26日 | 執筆:カナメ先生
ここがポイント!
  • 日本では2008年にソーシャルレンディングサービスが開始。
  • 個人向け融資は日本に合わなかったため法人向け融資が主流になった。
  • 2017年~2019年にかけては問題のある事業者が明るみになった。
  • 最大手のmaneoとSBIソーシャルレンディングが次々に撤退した。
  • 2019年3月には借り手の匿名化ルールが解除された。
  • 2022年4月には不動産クラファンのCREALが東証グロース市場に上場した。

2008年:日本初のソーシャルレンディングサービスが登場

欧米に2~3年遅れて、日本でも「maneo」がソーシャルレンディングサービスを開始しました。当初は欧米のサービスと同様に個人間融資を提供しています。

2009年:Aqushの参入

国内2番目のサービス開始は「Aqush」です。

個人間融資の「AQUSHマーケット」や、世界最大手である米LenddingClubへの仲介サービス「AQUSHグローバルファンド」が注目を集めました。

2011年:大手金融グループからSBIソーシャルレンディングが参入

国内3番目のサービス開始はSBIグループの「SBIソーシャルレンディング」です。

当初はmaneoと同様に個人間融資を提供していましたが、その後は「不動産担保ローン・証券担保ローン・再生エネルギー案件」にシフトしていきました。

2011年:maneoが個人間融資から撤退

10%を超える貸し倒れ率が問題となり、maneoが個人向け融資ファンドから撤退し、法人向け融資ファンドに方針を変更しました。

以降、日本国内のソーシャルレンディングサービスは全て法人向け融資ファンドとなっています。

2013年~2016年:様々なサービス提供会社が登場

日本で初めて証券会社として参入した「クラウドバンク」、東欧エリアなどの成長期待国への融資を行う「クラウドクレジット」、上場企業が運営する「オーナーズブック」など、独自性のあるソーシャルレンディングサービスが続々と登場しました。

2016年にはサービス提供会社数が20社になっています。

2017年:ソーシャルレンディング業界の飛躍

毎年2倍近いペースで伸びていたソーシャルレンディング業界の市場規模ですが、2017年には前年度比2.5倍の大躍進を遂げました。

市場規模は2016年の533億円から、2017年は1,316億円となっています。

ソーシャルレンディング業界の市場規模推移グラフ(2014年~2017年)

2017年~2019年:トラブル続出&maneoの没落

急激な市場規模拡大により問題のある事業者が明るみになりました。
個人的には「詐欺まがいのやり口」だと感じています。

事業者貸し倒れ・延滞発生時期記事
ラッキーバンク約33億円の貸し倒れ2018年記事
みんなのクレジット約31億円の貸し倒れ2017年記事
グリーンインフラレンディング約127億円の延滞中2018年記事
クラウドリース約55億円の延滞中2019年記事
トラストレンディング約52億円の延滞中2018年記事
ガイアファンディング約40億円の延滞中2018年記事
キャッシュフローファイナンス約8.9億円の延滞中2018年記事
アメリカンファンディング約2.3億円の延滞中2019年記事

グリーンインフラレンディング、クラウドリース、ガイアファンディング、キャッシュフローファイナンス、アメリカンファイナンスの5社はmaneoマーケットのプラットフォームを利用していました。

さらに自社でファンドを組成していた「maneo」でも延滞多発したため、maneoマーケット株式会社は瀧本憲治氏が所有する株式84.95%をJトラストグループの藤澤信義氏に売却することとなりました。

現在はJトラストグループが債権回収を引き継いでいます。

2019年:匿名化解除&再出発

2019年3月に金融庁からソーシャルレンディングの匿名化解除が公表されたことで、借り手の情報量が格段に増加しました。

問題のある事業者の淘汰や、匿名化解除などのルール改正によりソーシャルレンディング業界の健全な成長が続くことを願うばかりです。

2021年:最大手SBIソーシャルレンディングの撤退

負債総額150億円で倒産した太陽光発電関連会社「テクノシステム」に多額の貸付をしていたことでSBIソーシャルレンディングがサービス停止となりました。

第三者委員会からは

・プロの受託者としてあるべき審査やモニタリングの職責を放棄
・財務諸表の分析すら十分に行われた形跡がない
・2018年12月頃から本格的な上場準備を開始
・経営トップの営業優先志向、貸付残高を是が非でも上げるとの強い姿勢
・テクノシステムへの貸付は全貸付残高の43.8%の規模(2019年3月末時点)
といったことが指摘されました。

なお、SBIソーシャルレンディングのファンド購入者へは親会社であるSBIホールディングスが損失補填を行いました。

2022年:不動産クラファンの拡大とCREALの上場

問題が多発したソーシャルレンディングに代わり、仕組み的に透明性や保全性の高い不動産投資型クラウドファンディングの存在感が増してきました。

(ソーシャルレンディングは融資型クラウドファンディング)

代表的なサービスとして「CREAL」や「COZUCHI」があげられます。

2019年から不動産クラファン業界を牽引してきたCREALは、2022年4月に東証グロース市場に上場を果たしました。

カナメ先生
この記事を書いた人
21歳から投資をはじめて投資歴23年。ソーシャルレンディング歴8年。運用資産4億円以上。
IT会社経営、薬局経営、新築アパート投資、株式投資、REIT投資、クラファン投資などの幅広い経験が武器であり、「凡人なりに出来ることをコツコツと堅実に行うこと」がモットーです。
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