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JCサービス(グリーンインフラレンディング)事件を徹底解説&時系列まとめ

初回:2019年3月8日 | 更新:2022年2月26日 | 執筆:カナメ先生
(本記事はアフィリエイトURLを含みます)
JCサービス(グリーンインフラレンディング)に関する情報が散らばっていたので整理して1ページにまとめました。最新情報は「グリーンインフラレンディング掲示板」を見てください。

登場する会社の説明

JCサービス
(JCS)
最終的に資金を借りた会社。再生可能エネルギーの開発事業を行っている。代表は中久保正己氏。2003年3月設立。
グリーンインフラ
レンディング
(GIL)
ソーシャルレンディングで投資家からお金を集めて、JCサービスに融資した会社。代表は中久保正己氏。
maneoマーケット
(MM)
グリーンインフラレンディングにソーシャルレンディングのシステムを提供していた会社。代表は瀧本憲治氏。

JCサービスのホームページmaneoのホームページ

事件の概要

グリーンインフラレンディング(GIL)が投資家から集めた約200億円のうち約134億円の返済が滞りました。GILはソーシャルレンディングという仕組みを使い「年間11~14%の高利回り」を謳ってお金を集めていました。

問題点

2018年7月6日の証券取引等監視委員会の発表によると「入金されたファンド資金をウェブサイト上で表示した出資対象事業に支出しているか検証したところ、出資対象事業と異なる事業等へ支出している事例が多数認められた」とされています。

つまり、ファンド募集時に虚偽の表示をしていたことになります。

事件の時系列まとめ

2016年9月GILがサービスを開始。11~14%の高金利で注目を集める。
2018年5月GILが累計募集額200億円を業界最速で突破。
2018年5月21日アウトサイダーズ・レポートが「JCSは他ファンドで調達した資金を償還に回している(ポンジスキーム疑惑)」「集めた資金を親会社(JCサービス)に貸し付けている」と報道。
2018年6月19日maneoマーケットがGILの募集停止を発表。
2018年6月20日 NHKニュース7でGILの問題が報道される。
内容は「maneoマーケットがGILの募集を停止したこと」「調達した資金の用途が異なっている」など。
2018年6月27日朝日新聞が「衆議院議員の細野豪志氏が都内証券会社(JC証券)から5,000万円を受け取っていた」と報道。原資はGILが投資家から集めたお金である可能性が高い。
2018年7月6日 JCS発表。7.48億円を返済しようとしたがmaneoマーケットに受領拒否されたため、当該資金を7月6日付で東京法務局に供託した。
2018年7月11日JCサービスが環境省から補助金の返還命令を出される。
金額は補助金2億9,600万円と加算金1億3,600万円。
2018年7月24日 maneoマーケットが行政処分(業務改善命令)を受ける。
2018年7月18日 JCS発表。私的資金流用や政治家への政治献金等の疑惑が報道されているが、JCSは再生可能エネルギー開発の事業会社として事業以外に流用する等の不適切な運用がないと確信している。
2018年7月24日 JC証券が金融商品取引業者の登録取り消し処分を受ける。
2018年8月3日大規模な延滞報告。未返済額は約134億円。
2018年11月30日 JCS発表。太陽光2案件(約7.7億円)は売却完了してGILに元本返済済み。バイオマス1案件(約7.5億円)についても契約完了しており、12月中に返済計画を発表予定。
上記以外にバイオマス3案件と太陽光1案件の年内の契約を見込んでいる。これによりGIL募集額の50%程度は返済の目途が立つ。
2018年12月21日 JCS発表。maneoマーケットにファンド管理システムの提供再開を要請中。ファンド管理システムの提供が再開されるまで投資家に返済することはできない。
2018年12月27日 maneoマーケット発表。JCサービスから約15.5億円の入金を受けている。各事業と投資家の資金との紐づけを正確に行えない段階での分配は公平性を確保できないためシステム提供を再開できない。
2018年12月28日 JCS発表。maneoマーケットに対してシステム提供再開の民事調停申し立てを行った。
2019年3月7日 JCS発表。太陽光3案件(約15.6億円)とバイオマス1案件(約10億円)の契約が完了。他にはバイオマス2案件と海外水力発電1案件の早々の契約締結を見込んでいる。これによりGIL募集額の60%程度は返済の目途が立つ。
2019年3月7日 NHKがmaneoマーケットやJCサービスについて大きく報道。独自入手した内部資料により「北陸地方で行うバイオマス発電」の進捗が滞っていることを指摘。
2019年3月8日 投資家54人と法人3社がmaneoマーケットと中久保氏(JCS代表)に対して約11億円の損害賠償を求める訴訟を起こした。原告代理人は鈴木英司弁護士。
2019年6月20日 FACTA 7月号によると東京地検特捜部の経済班がJCサービスの調査に着手した。5月中旬頃に赤坂の三会堂ビルに5、6人の捜査員が訪れたとのこと。
2021年4月9日 グリーンインフラレンディングが東京地裁から破産開始決定を受ける。負債総額は債権者4,855名に対して約120億円。
2021年6月17日 maneoマーケット元社長の瀧本憲治氏が日比谷公園のトイレで遺体となって発見される。
2021年9月9日 JCサービスが東京地裁から民事再生廃止決定を受け破産開始決定。
負債総額は債権者158名に対して約153億円。
2022年2月25日 東京地検特捜部が大樹総研の家宅捜索に入る。
バイオベンチャー「テラ」のインサイダー取引事件に関する捜査。

<JCサービスの問題点まとめ>
・GIL経由での借入金を延滞(約134億円)
・細野豪志氏への裏金(5,000万円)
・環境省から補助金の返還命令を受ける(約4.3億円)
・子会社のJC証券が登録取り消し処分(非常に厳しい処分)
・取引先企業から銀行口座の仮差押えを受ける
・取引先不動産会社から破産申し立てを受ける(取り下げ済み)
・大樹総研グループに5億円以上の業務委託金を支払う(妥当性は不明)

中久保正己氏とは?(JCサービス・GIL)

中久保正己さんの写真

1965年出生
-兵庫県庁職員
-神戸大学入学(夜間・仕事が忙しく中退)
1996年有限会社クオリティライフ設立 → 2000年に倒産(負債3億円)
2001年株式会社ジャパンコストプランニング設立 → 2007年に倒産(負債60億円)
2012年「上場する」と公言し、株で資金調達を始める(3年で約8億円)
2016年グリーンインフラレンディングを開始。
2018年グリーンインフラレンディングで大規模延滞(約134億円)を起こす。

独立以降は問題しか起こしていないと言えるほどの経歴です。

瀧本憲治氏とは?(maneoマーケット)

瀧本憲治さんの写真

1972年横浜市生まれ
-東京都立府中高等学校を中退
中退後は「とび職」として働く
慶應義塾大学商学部を卒業
セブンイレブン・ジャパンに入社(5ヶ月で辞める)
父の経営する旅行会社に入社(大喧嘩して辞める)
米国公認会計士、中小企業診断士、日商簿記1級を取得
知人のガードマン派遣会社の創業を手伝う
2005年UBI株式会社 入社(木村勝男社長に弟子入り)
2006年UBI株式会社 取締役就任
2012年maneo株式会社 取締役就任
2013年maneo株式会社 代表取締役就任(現在は取締役)
maneoマーケット株式会社 代表取締役就任
2013年著書「セカンドマネーを創りなさい」を出版。
2016年株式会社リクレ 代表取締役就任(現在は取締役)

波乱万丈の人生です。経営難に陥っていたmaneoを買収してソーシャルレンディング業界トップに育て上げた立役者ですが、maneoファミリー(プラットフォーム利用企業)の問題多発による責任を問われています。

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カナメ先生
この記事を書いた人
21歳から投資をはじめて投資歴23年。ソーシャルレンディング歴9年。運用資産4億円以上。
IT会社経営、薬局経営、新築アパート投資、株式投資、REIT投資、クラファン投資などの幅広い経験が武器であり、「凡人なりに出来ることをコツコツと堅実に行うこと」がモットーです。
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[452] no name(2021-05-28 20:29:18)
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瀧本氏が株を売って経営陣から離れるという責任の取り方(逃げた?)をしたことについて、maneo役員社員からの評価はどのようなものだったのでしょうか?
[395] 元マネオ関係者(2021-05-28 12:55:45)
私は、マネオ関係者ですが、瀧本憲治が数々の不正をしていた為、指摘をしたら、私を罪に着せ、逃げていきました。
シナジーパワーも、皆様を騙し、ありもしない投資利益や、農産物関連の資金を集め、結局UBIの自転車操業にあてていました。
[3728] カナメ先生(2019-03-12 09:15:58)
ご指摘ありがとうございます。
[3727] no name(2019-03-12 07:42:03)
むしろ苦境なのは騙された投資家ではないでしょうか。
政治家に貸し出しますなんて書かれてたら初めから投資しませんし。
[3689] no name(2019-03-09 20:40:04)
>maneoファミリー(プラットフォーム利用企業)の問題多発による苦境に立たされています。
瀧本はファミリーの監督・監査を怠ったのんだから自業自得でしょ、
「立たされています」という表現には違和感を覚える。
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