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ラッキーバンク事件は詐欺なのか?被害額33億円の時系列まとめ

初回:2018年12月6日 | 更新:2019年3月15日 | 執筆:カナメ先生
2018年12月5日、ラッキーバンクから債権譲渡の発表があり、ラッキーバンクの大規模遅延は「投資家の約7割損失」という形で一応の決着が付きました。しかし、投資家にとって納得のいく結果でないことは明らかです。

このページは「訴訟する方」「事件として取り上げるメディア」の役に立つ資料を目指して作成いたしました。不足情報がありましたら、最下部のコメント機能からご投稿ください。

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ラッキーバンク事件発生前 2012年~2017年

2012年田中翔平氏がソーシャルレンディングに興味を持ち、先行するmaneoなどの研究をはじめる。
2014年5月ラッキーバンク・インベストメント株式会社設立。
代表:越後篤氏、副社長:田中翔平氏。
2014年12月ラッキーバンクのサービス開始。
高い利回り(8.0~11.0%)と全案件担保付きを理由に人気を集める。
2015年3月越後氏が健康上の理由で社長を退任。田中氏が社長に就任。
2016年6月LBIリアルティ(株)を設立。自社でも不動産売買事業を行うことを計画。
2017年7月大和証券元常務の野島斌氏(77)が副社長に就任。
2017年10月累計募集金額125億円を突破。

ラッキーバンク事件発生後 2018年

2018年3月関東財務局より行政処分原文)を受ける。概要は以下の通り。
(1) 貸付先のほとんどが田中氏の親族が経営する不動産会社X社である。
(2) 貸付審査の際に売上や資産の水増し計上を見逃していた。
(3) 担保不動産の鑑定評価が正式に行われていなかった。
(4) X社の返済困難を認識していながら、X社を貸付先とするファンド募集を継続していた。
2018年3月 投資家を招いて説明会を開催。
2018年5月投資家に大規模な返済遅延を発表。対象はほぼ全ファンド。
2018年
12月5日
債権回収会社への債権譲渡を発表。メール全文
約49.2億円(X社45.6億円・F社3.6億円)の債権を約16億円で譲渡。
投資家の損失率は約67.5%。発表日12月5日。実行日12月6日。
2018年
12月28日
12月下旬の予定だった分配予定金額詳細の発表を2019年1月4日~1月7日に延期。
2019年
1月7日
分配金額の発表(債権譲渡にかかる分配額一覧表)。
回収率は32.47%程度。債権譲渡費用は34万7,000円。
2019年
1月8日
前日発表の分配を実施。
2019年
1月21日
個人投資家45人が東京地方裁判所に提訴。計2億7千万円の賠償を求める。原告代理人は東京フィールド法律事務所の鈴木英司弁護士。
同日にテレビ東京「ゆうがたサテライト」が突撃取材の様子を放送。
2019年
3月14日
関東財務局が第二種金融商品取引業の登録取り消し処分を行う。

田中翔平氏について

田中翔平氏の写真

・出身は東京都
・男2人兄弟の次男
・金融業と不動産業を営む家庭に生まれる
・両親だけでなく親戚も不動産業を経営
・起業前は船井財産コンサルタンツで勤務
・26歳でラッキーバンクの代表に就任
Twitterアカウント

X社は田中伊世子氏が経営するウイングトラスト株式会社

・田中伊世子氏と田中翔平氏は親族である。
・田中伊世子氏と田中翔平氏は住所が同じ(ウイング箱崎ビル)。
・ウイングトラスト社のH28年12月決算は約5億円の赤字&債務超過。

ウイングトラスト社の情報は「SuperFlow!」と「セミリタイアに向けてのソーシャルレンディング投資実践記」の記事を参考にさせていただきました。

ラッキーバンクにおける様々な問題点

・担保不動産の鑑定評価が正しく行われていなかった。
・説明会で査定と実売価格の乖離は70~120%と発言している。
・親族経営の赤字会社を貸付先としたファンド募集を続けていた。
・7ヶ月に及ぶ任意売却で実際に売却したのは約4,600万円(約1%)。
・公表不動産評価額60億円の担保を16億円で譲渡決定。
・投資家への債権譲渡報告が前日の22時40分頃。
・債権入札会社の情報が非公開。

競売ではなく債権譲渡でなければいけなかった理由

ネット上では「身内のサービサーからキックバックを貰うのでは?」といったことが噂されていますが、キックバックがあろうが無かろうが、ウイングトラストは30億円以上のお金を奪い取ったのと同等です。例えば以下のような流れが考えられます。

1投資家はラッキーバンク経由でウイングトラストに49億円(※)を融資。
2ラッキーバンクは16億円で債権譲渡。
3ウイングトラストはサービサーに対して17億円で債権を完済する。
4サービサーは労せず数ヶ月で1億円を得ることができる。
5ウイングトラストは49億円-17億円=32億円の現金を得たことになる。
もちろん担保不動産は返ってくる。
6 投資家は49億円-16億円=33億円の損失。投資額の67.3%。

※実際に確定していることは1と2。3以降は仮説。
※厳密にはX社が45.6億円、F社が3.6億円。

これが任意売却や競売の場合、ノンリコースローンでない限り、きっちり全額(49億円)を返す義務があります。返せなければ倒産です。どうしても「債権譲渡」という方向に持っていきたかったのでしょう。

そもそも「競売では19~20億円で売れる見込みですが、予納金4,000万円を持っていないので16億円で債権譲渡します」という部分に無理があります。

あおい法律事務所が説明会発表をした直後

2018年12月4日、金融商品取引被害に実績のある「あおい法律事務所」が「ラッキーバンク訴訟の説明会を行う」と発表しました。なんと、その翌日の12月5日にラッキーバンクから「債権譲渡」の発表があったのです。

あまりにも良いタイミングです。
以前から奥の手として「債権譲渡発表の準備をしていた」のかもしれません。

あおい法律事務所ブログ「ラッキーバンクに関する相談について」

債権譲渡対象のファンド一覧

担保物件借入人案件数貸付元本
港区東麻布エリア 一棟オフィスビルX社13357,410,000円
港区表参道エリア 区分オフィスX社8238,000,000円
品川区⼾銀座エリア 一棟オフィスビルX社11345,200,000円
千葉県流山市 土地X社5110,000,000円
中央区東日本橋エリア 一棟オフィスビルX社13534,150,000円
千代田区神田エリア 一棟オフィスビルX社8233,000,000円
大田区 土地X社5133,000,000円
世田谷区 土地X社8185,600,000円
杉並区 一棟収益物件X社5152,000,000円
小平市 土地X社14338,000,000円
渋谷区笹塚 一棟収益物件X社11440,000,000円
港区三田 一棟オフィスビルX社18460,000,000円
文京区 一棟オフィスビルX社8279,000,000円
神奈川県藤沢市 区分宿泊施設X社12323,000,000円
台東区東上野 一棟オフィスビルX社8330,000,000円
千葉県千葉市緑区 区分マンションX社19,000,000円
千葉県船橋市東船橋 土地X社147,000,000円
神奈川県足柄下群箱根町 保養所X社150,000,000円
中央区 一棟オフィスビルF社148362,550,000円
合計-2984,926,910,000円

関連記事:ラッキーバンク延滞事件

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この記事を書いた人
21歳から投資をはじめて投資歴23年。ソーシャルレンディング歴8年。運用資産4億円以上。
IT会社経営、薬局経営、新築アパート投資、株式投資、REIT投資、クラファン投資などの幅広い経験が武器であり、「凡人なりに出来ることをコツコツと堅実に行うこと」がモットーです。
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一言掲示板 : 情報交換、改善希望、質問など
[3697] no name(2022-07-06 16:32:50)
東舟橋のレモンツリーの競売に賛同します。どちらに連絡すればよいでしょうか。教えてください
[2306] no name(2020-05-16 08:23:22)
訴訟で勝ったとしても、お金が返ってくるかどうかはまた別の話ですからねえ。
[2656] カナメ先生(2019-01-11 16:01:51)
関係各所の調べ方が分かりませんでした。
自分の調査力不足が悲しいです。
とりあえずWT社まわりの登記簿をとってみましたがダメでした。
[2587] カナメ先生(2019-01-09 09:14:55)
なるほど。登記簿などから情報を調べてみます。
[2574] no name(2019-01-07 17:35:20)
その通りです。
関係する法人の代表者変更または不動産や債券の売買などを順次行ってませんか?
関係各所の登記簿謄本を取得してみてはいかがですか?
[2355] カナメ先生(2018-12-27 09:18:28)
情報ありがとうございます。
そのような前情報があったのですね。勉強になります。
Mコーポレーションが関係あったりするのでしょうか?
[2301] 匿名希望(2018-12-25 11:03:52)
今回の事件は以前より想定できてました。
田中翔平の父親(x社代表取締役の内縁の夫)が深く関与してますね。
以前にも2度同じことをして逃げてます。
1度目は法人売買。身内に株式を持たせて第三者から手が出せないようにしてます。
2度目は本妻を代表者にして影で操る。(今回と似てます)
身内を含む不特定多数から資金を集めて資金を動かし、民事再生から破産として
逃げてます。
ラッキーバンク設立時の代表者も元部下
キーワードは本田ちよ
[2106] no name(2018-12-15 09:15:54)
私は20万。14万円ほど返って来ていません。この額では着手金を考えると訴訟に参加してもちょっとなぁと…。あと子どもが産まれたばかりで時間もとれないので勉強代と思って断念します
[1965] no name(2018-12-09 22:15:37)
あ、書き忘れました。
直下の投稿をした者ですが、私は200万延滞となっており、今のままだと140万戻ってこない予定です。
[1964] no name(2018-12-09 22:14:14)
訴訟参加の可否の判断材料のひとつに、ラッキーバンクが黒という判決が出る可能性がどれくらいあるのか、という点もあります。訴訟を起こしたところでうまく逃げられることが明らかなのであれば着手金を払う意味はありません。
[1962] no name(2018-12-09 19:52:13)
着手銀行は最低10.8万だったかと思います、私は165万預けてますが、まずはあおいの説明会に参加して判断します
[1872] no name(2018-12-07 10:24:29)
集団訴訟の人数が40人を超えれば、あおい事務所は3.24%の着手金ですので絶対に参加された方が良いと思います。
私は128万の被害ですが参加するつもりです。
[1871] no name(2018-12-07 07:21:20)
3割弱か。いい加減にしろ。
[1863] no name(2018-12-06 22:21:42)
ラッキ-バンクでは無くアンラッキ-バンク(笑)
[1860] ドラドラ(2018-12-06 21:24:09)
初めて書き込ませていただきます。
現在私はラッキーバンクに75万程度拘束されています。
そこで訴訟に参加しようか考えているのですが法律関係に疎く、この金額でも参加したほうがいいのか悩んでいます。どなたかお詳しい人がいましたらいくら程度から参加したほうが良いか教えていただけませんか?
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