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maneoが望むグリーンインフラレンディング返済の大きな流れ

投稿日:2018年12月28日 | 執筆:カナメ先生
2018年12月27日、maneoがグリーンインフラレンディングに関する発表を行いました。この報告は12月21日にJCサービスが発表した「グリーンインフラレンディングによるファンド資金の返済について」に対するmaneo側の言い分となっています。

まずは全文を掲載してから解説に移ります。

全文転載

この度は多大なるご心配とご迷惑をお掛け致しており、誠に申し訳ございません。

株式会社グリーンインフラレンディング(以下「GIL社」といいます。)を営業者とするファンドに入金された資金につき、投資家の皆様への分配が遅延している件につきまして、以下のとおりご報告いたします。

まず、これまでの経緯についてご説明いたします。

当社は、2018年7月13日に関東財務局から業務改善命令を受けたところ、これに先立つ証券取引等監視委員会の立入検査においては、GIL社を営業者とするファンドについて、投資家の皆様から入金されたファンド資金がウェブサイト上で表示された出資対象事業と異なる事業等へ支出されている事例が多数存在することが発覚しました。

この結果、ファンドへの入金が行われた資金をどの投資家に分配するべきかを確定できないという状況が発生いたしました。

なお、GIL社を営業者とするファンドから貸し付けられた株式会社JCサービス(以下「JCS社」といいます。)の事業の数は数十件に及び、また、1つの事業の期間は長期に渡っていたため、各事業と投資家の資金の紐づけを正確に行うことが非常に困難な事態となっております。

具体的には、Aプロジェクトが売却された場合には、Aプロジェクトに出資した投資家の方に資金を分配するのが通常の運用であるところ、業務改善命令を受ける理由となったファンドの資金の「目的外使用」が存在し、Bプロジェクトで集めた資金がAプロジェクトにも投じられている可能性が存在することから、Aプロジェクトの売却資金に関してはBプロジェクトに出資した投資家にも分配を受ける権利が存在する可能性が存在するという状況となっております。

こうした経緯を踏まえ、当社では、第二種金融商品取引業者として、投資家保護の観点から、2018年6月より、GIL社を営業者とするファンドの新規募集を停止し、更に、各事業と投資家の資金との紐づけを正確に行えない段階において投資家へ資金を分配することは、投資家への資金の分配にかかる公平性を確保できない結果となることから、同年7月より、当社がGIL社に提供していたシステムの提供を停止しております。

GIL社が投資家への資金の分配を行うためには上記システムを利用する必要があるところ、上記システムの提供の停止により、GIL社から投資家への資金の分配はなされ得ない状況となっております。

なお、2018年12月26日現在、GIL社を営業者とするファンド総額約135億円(約1,440ファンド)のうち、約122億円については、貸付先からの元利金の弁済が延滞したことに伴う分配の遅延という事態が発生しており、約15.5億円(内元金約13.4億円、利息約2.1億円)については、貸付先から元利金相当額の入金がなされたものの、入金の原資を特定できない状況となっていることを確認しております。

上記事実を踏まえ、(1)元利金の弁済が延滞した資金の回収のためにすべき対応と現況、(2) GIL社へのシステム提供を再開するために必要な対応等について説明いたします。

(1)元利金の弁済が延滞した資金の回収のためにすべき対応と現況

GIL社を営業者とするファンドの貸付先でありGIL社の親会社でもあるJCS社は、2018年7月31日の元利金の弁済が延滞したことにより、金銭消費貸借契約上の期限の利益を喪失しております。これにより、GIL社は関連会社を通じてJCS社に対して融資資金の一括での返済を要求できる立場となっております。

また、GIL社を営業者とするファンドの裏付けとなる金銭消費貸借契約においてはJCS社の不動産やID(権利)に担保設定がなされているため、営業者であるGIL社としては、上記のとおり、一括での返済を請求できる立場となったことから、以下のような対応をとることが考えられます。

【1】貸付先と協議のうえで、担保の任意売却を行うことにより融資資金を回収する 【2】担保権を実行し、担保不動産等を競売にかけることにより融資資金を回収する 【3】JCS社に対して破産等の申立てを行い、法的倒産手続の中で融資資金を回収する

GIL社は、現状は【1】の方法により融資資金の回収を進めている状況と考えられ、一部の案件の任意売却の結果、現時点で約15.5億円の入金がなされていることになります。

また、GIL社としては、【2】及び【3】の方法により融資資金の回収を進めることも考えられますが、GIL社が担保権を有する担保物件は再生エネルギー分野におけるID(権利)や土地であり、案件価値の最大化にはJCS社の協力が必要であること、また、破産となった場合には当該権利の喪失の可能性等もあることから、【2】及び【3】の方法を選択することは投資家の利益の最大化という観点で得策ではない可能性が高いものと考え、【1】の方法を選択したものと考えられます。

当社は、第二種金融商品取引業者として、営業者であるGIL社のファンドの募集・私募の取扱い(以下「募集勧誘行為」といいます。)を行う立場であり、GIL社との間で業務提携契約を締結し、当該契約に基づくシステムの提供及び募集勧誘行為を行っているものです。

当社は、当該契約に基づいてファンドの募集勧誘行為を停止することは可能ですが、営業者の貸付先の債権者の地位にはありません。

したがって、当社は、直接的に営業者の貸付先から融資資金を回収する、担保権を実行する、破産を申し立てるといった法的措置を講ずることができる立場にはありません。

こうした状況の下、当社は、GIL社へのシステム提供の再開の前提となる投資家の皆様への償還及び分配の公平性が確保できる状況を確認するため、GIL社及びJCS社に対して、再三に渡って詳細な資料提示を求めております。

(2)GIL社に入金された資金が投資家の皆様に分配されるために必要な対応等

GIL社を営業者とするファンドについては、12月26日現在までに約15.5億円がJCS社等からGIL社に入金されたことを確認しておりますが、未だ投資家への分配の公平性が確保される状況にはないことから、当社は、GIL社に対するシステムの提供を再開しておりません。

当社は、GIL社に対し、投資家の皆様の相互の間での公平性を確保できない結果となるとの懸念が払拭されるまで当該資金を適切に管理することを要請すると同時に、返済資金の原資の確認ができる資料、及び各プロジェクトの資金の流れが明確に把握できる資料等の提出を、内容証明郵便等により求めております。

しかしながら、現状、投資家の皆様の資金の流れを確認するために十分な資料の受領には至っておりません。

こうした状況においては、GIL社に入金された資金がどの投資家の資金に紐づけられたものであるのかが明らかではなく、現時点においての償還及び分配は投資家の皆様の相互の間での公平性を確保できない結果となるとの懸念が払拭できていないものと判断しております。

当社としては、早期のシステムの提供の再開に向けて、GIL社及びJCS社に対し十分な情報の提供を求めるとともに、法務、会計の専門家や関係各所との相談を通して、投資家の皆様の公平性が確保される状況となっているか否かを確認している状況であります。

大変ご心配をお掛けしており申し訳ございませんが、当社は、今後も、早期のシステム提供の再開のため、鋭意努力してまいります。GIL社へのシステム提供の再開に向けた状況につきましては、進展があり次第、速やかにご報告させていただきます。

2018年12月27日
maneoマーケット株式会社(第二種金融商品取引業者)

解説1:誠意を示したいグリフラと免許を守りたいmaneo

グリフラ少しでも返済する意思を見せて投資家の怒りを抑えたい。
maneo当初から「資金の紐づけを正確に行えないかぎり返済は始められない」と言っている。下手なことをして第二種金融商品取引業の取消し処分を受けることだけは避けたい。

たしかにmaneoとしては絶対に妥協できない部分です。関東財務局の警告を無視することは絶対に出来ません。これに対してグリフラの「maneoがシステムを使わせてくれないので返せない」という発表はあまりにも子供じみた言い分です。

ただし、これはmaneoの「最終的に公平に分配して関東財務局にを納得してもらう」という目的のためのパフォーマンスにすぎないかもしれません。グリフラの発表が本当に子供じみたものなのか、それともmaneoから許可を得たものなのかは分かりません。

解説2:約15.5億円の入金は認めている

約15.5億円(内元金約13.4億円、利息約2.1億円)については、貸付先から元利金相当額の入金がなされた。

今まで存在が不安視されていた、供託金(2018年7月)と太陽光売却額(2018年11月)に関しては、maneo側が「入金されたことを確認している」と認めています。今回、唯一の朗報です。

解説3:maneoが望む流れ

今回の発表でmaneoが望む流れが明確に見えてきました。

1資金の紐づけが行えないかぎりシステム提供の再開はできない。しかし、実際のところグリフラやJCサービスに資金の流れを明確に把握できる資料の提出は不可能だと思われる。つまり「紐づけができればシステムを再提供する」は建て前である。
2担保競売や破産申立てを選択するよりも、JCサービスと協力して任意売却を行うことが合理的だと投資家に納得してもらいたい。
3グリフラに返済する意思はあるし、今後も最大限の努力をすると投資家に分かってもらいたい。そのために実際に売却額が入金されていることを発表。
4 最終的には「投資家への公平な分配を実現するために最大限の努力をした」という体裁を保ち、maneoの企業価値を守りたい。もちろん訴訟も避けたい。
実際に投資家への分配が行われるのは全ての案件が売却された後なのか、ある程度の努力アピール期間が過ぎた後なのかは分からない。

企業として合理的な戦略だと思います。投資家としても「任意売却を待つ」以上の合理的なプランが無いかぎり、maneoの望む流れに乗るしかありません。

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21歳から投資をはじめて投資歴23年。ソーシャルレンディング歴9年。運用資産4億円以上。
IT会社経営、薬局経営、新築アパート投資、株式投資、REIT投資、クラファン投資などの幅広い経験が武器であり、「凡人なりに出来ることをコツコツと堅実に行うこと」がモットーです。
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個人的には、maneoマーケット滝本氏、グリーンインフラレンデイング(JCS)中久保氏とも、悪意からではなく、JCS事業の資金繰りのため、予想外の金融庁の調査以降、安易不備な計画が軌道を逸れてしまったものと思います。 時間はかかっても、ファンドの償還を果たし、事業再生を期待したいのですが。 また、それ以外に両氏の社会的な責任の取り方がないと思います。
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