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ソーシャルレンディングにおける太陽光発電投資の担保価値に対する考え方

投稿日:2018年7月27日 | 執筆:カナメ先生
重要度 ★★★★
ここがポイント!
  • 太陽光発電計画の売電開始を阻む要因は意外と多い。
  • 計画が頓挫した場合に不動産担保価値の低さが致命傷となる。
  • 再生可能エネルギー案件に投資するには借り手の詳細情報が必須。

太陽光発電施設の担保価値について分からない部分が多かったため、寄稿でおなじみのAさんに解説していただきました。とても勉強になりました。

グリーンインフラレンディングの仙台案件(延滞中)を題材にしています。

土地の価値

仙台案件は下記3筆のようです。
・宮城県仙台市青葉区大倉字向大倉山103-1
・宮城県仙台市青葉区大倉字長窪11
・宮城県仙台市青葉区大倉字長窪12

このうち、経済産業省申請の代表地番は長窪11ですが、面積的には向大倉山103-1が一番広く、登記上は約196,000㎡(約6万坪)です。同土地は単なる山の上であり、進入路もない状態。通常の不動産の価値としては、坪1000円未満でしょう。

しかも、同土地は実測すると登記の半分以下の面積らしいです(約80,000㎡、約2.5万坪)。 よって、通常の不動産評価としては坪1000円で考えても、2500万円程度となります。

【Aさんの解説】

恐ろしく詳しい解説です。場所に関しては経済産業省の「事業計画認定情報 公表用ウェブサイト」を調べれば分かります。とりあえず「太陽光案件の土地自体にほとんど担保価値はない」と覚えておきましょう。

太陽光発電施設としての価値

太陽光発電施設の年間収支は基本的に安定してます。
収入は、太陽光パネルが発電したものを、すべて電力会社が買い取ってくれる。
発電量は日射量に依存するが、年間予想値の10%を下回ることは無いと言っても良い。
設備(パネル)のメンテナンスは、概ね収入の10%程度(別途、保険代とか費用ですが、少額です)。という具合に、稼働さえすれば毎年の収支は非常に安定的なビジネスです。

<単価36円の太陽光発電施設の毎年の収支モデル例(1MW)>

収入3,800万円20年の平均値、設備の劣化で年々減少
メンテ-600万円
保険-100万円
雑費-100万円
土地代0万円賃貸物件の場合のみ発生
収支3,000万円これが20年間続くので、合計6億円の利益

*上記のように20年間で6億円の利益が予想されるビジネス。
そのビジネスに対して、初期費用はいくらまでOK?
一般的には、3.5億円が相場のようです。(左記の場合、IRR=約6%となります)

*仙台案件は約8MWなので、3.5億円×8=28億円が同太陽光発電施設の適正なイニシャルコストとなります。

<太陽光発電施設のイニシャルコストについて>

太陽光発電施設のイニシャルコストとは、次のとおりです。
①太陽光パネル等の材料および設置工事費用
(1MWあたり2億円程度なので、仙台案件では16億円)
②土地の造成費用(案件次第)
③電力会社へ売電するための送電線費用(案件次第)
最寄りの送電線までの電線延長や既存の電線の増強工事
④各種許認可取得費用(案件次第)
「①~④の合計」と「仙台案件の適正イニシャルコストである28億円」の差が、「ID+土地」の価値として認定出来る。

仙台案件では、
①8MWなので16億円。
②2億円。安いほうです。
③これはひどい状況で、5億円ぐらいは必要だったはず。
④数千万円程度なので無視。

合計22億円となり、28億円との差は5億円。これが「経産省認定設備ID+土地」の担保価値となる。(それぞれ金額は仮定の話です)

【Aさんの解説】

なるほど。ブームとなった投資案件だけあって、十分に儲かる仕組みなのですね。一般住宅に設置する太陽光発電は4kWが多いので、8MWはその2000倍というもの凄い規模です。

現実の問題

考え方としては上記のとおりです。
しかし現実には、

1許認可が通らない。(着工不可能で価値ゼロ)
2近隣の反対運動で事実上着工できない。(価値ゼロ)
3平成32年3月までに売電開始出来ない場合、売電期間が短縮。(20年収支が減少=適正イニシャルコスト減少=ID+土地の価値も減少)
4土地の広さが狭く、パネル設置が出来ない。(近隣土地の地上げが必要、別途費用が発生)
5近隣樹木が高く、影が出来るため発電効率が悪い。(20年収支が減少、以下同)

などの問題点が発生することが多いです。
現状で発電できていない案件は、上記のような問題点を90%以上の確率で抱えていると考えてください。JCサービスに限らずです。問題なければ、早期売却出来てます。リファイナンスなんて必要ないです。

もし、仙台案件が壊滅的な問題点を抱えていれば、太陽光発電施設としての担保評価はゼロとなり、一般不動産としての担保評価(坪1000円で2500万円)しかありません。

【Aさんの解説】

それなりにリスクもあるようです。実績のある優れた会社であればこういった可能性も計画に含んだうえで、慎重に事業を進めていきます。

ちなみに、銀行や信販会社における主要なソーラーローン金利は「2.0~4.5%」です。こういった金利水準の中で、ソーシャルレンディングを通して14%の高金利で大半の資金を調達しようとするのは違和感を感じます。

自分なりに整理してみます

たしかに太陽光発電は魅力的なビジネスです。上の案件ですと、22億円の初期投資に大して毎年2.4億円の収入を得ることができます。JCサービスが「なんとか完成させたい」と思い、あらゆる手を尽くす気持ちも分かります。

ただし、問題となるのが担保価値の低さです。Aさんが説明してくれた「許認可が通らない」「近隣の反対運動」などの問題が発生し、計画が頓挫した場合、それまでに費やした費用がほぼ無駄になってしまいます。

これが「不動産担保案件(LTV 80%以下)」との大きな違いです。

借り手の詳細(実績、社歴、業績など)が分からないかぎり、再生可能エネルギー案件への投資は危ないと感じました。

カナメ先生
この記事を書いた人
21歳から投資をはじめて投資歴17年。ソーシャルレンディングへの投資額はトップクラスの個人投資家。「凡人なりに出来ることをコツコツと堅実に行うこと」がモットーです。
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