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被害額8.3億円!キャッシュフローファイナンス事件を完全解説

投稿日:2020年12月29日 | 執筆:カナメ先生
キャッシュフローファイナンスのホームページ

被害額約8.37億円となった「キャッシュフローファイナンス」の大規模デフォルト事件について詳しく説明します。キャッシュフローファイナンスはmaneoマーケットのシステムを利用していたため、maneoファミリーと呼ばれていました。

キャッシュフローファイナンスとは

2017年2月に第1号ファンド募集を開始したソーシャルレンディング事業者です。

体験型エンターテインメント施設ファンド、テクノロジーファンド、コインランドリーファンドなどの特徴あるファンドを利回り10%前後で募集していましたが、最終的には約8.37億円の貸し倒れを起こしてサービス終了となりました。

キャッシュフローファイナンスとmaneoマーケットの関係図

サービス名Cash Flow Finance
運営会社株式会社Cash Flow Finance
旧住所東京都中央区日本橋1丁目2番10号
新住所東京都品川区西五反田7丁目17番7号 五反田第1noteビル 4階
創立2016年10月3日
サービス開始2017年2月
資本金3,000万円
代表者代表取締役 根本貴宏

キャッシュフローファイナンスが債権譲渡をするまで

2016年10月3日創立
2017年2月28日第1号ファンドの募集開始
2017年10月成立ローン10億円突破
2018年10月大規模な延滞を発表
2020年11月債権譲渡契約の締結を発表

債権譲渡に関しては「すでに対象となる動産設備の売却がされているため、これ以上の回収の見込みがない」と発表されました。

キャッシュフローファイナンスの代表者

キャッシュフローファイナンス代表 根本貴宏
根本貴宏 氏
- 北海道生まれ(1977年)
防衛大学校理工学部電気工学科 卒業
実家の建設業 → 人材紹介会社 → 不動産鑑定事務所
2007年ゴールドマン・サックス・リアルティ・ジャパン(2007年~2009年)
不動産・債権投資を中心とした業務
2011年株式会社a2media
IRを中心とした企業コミュニケーション支援
2013年JapanREIT株式会社 常務取締役
日本最大のJ-REITポータルサイトJAPAN-REIT.COMを運営
2017年株式会社Cash Flow Finance 代表取締役社長
不動産・新規事業・新技術を中心にしたソーシャルレンディング事業

ファンドごとの被害額

ファンド 未回収金額 元本 回収金額 回収率
体験型エンタメ施設ファンド216,586,250228,454,79111,868,5415.2%
ECOファンド199,999,814199,999,81400.0%
インバウンド支援ファンド132,472,482160,986,59128,514,10917.7%
テクノロジーファンド131,616,807137,994,9526,378,1454.6%
設備賃貸事業向けファンド94,527,31695,499,268971,9521.0%
子育て支援ファンド52,827,14156,488,4213,661,2806.5%
コインランドリーファンド9,227,188188,066,113178,838,92595.1%
不動産ローンファンド049,960,82649,960,826100.0%
合計837,256,9981,117,450,776280,193,77825.1%

U社(体験型エンタメ施設)、TN社(ECOファンド)、F社(インバウンド支援)、V社(設備賃貸事業向け)などが主な最終資金需要者となっています。

テクノロジーファンドは「燃費改善」「感染予防技術」などを1つにまとめています。

キャッシュフローファイナンス関連リンク集

キャッシュフローファイナンス公式サイト
延滞債権/デフォルト債権一覧
キャッシュフローファイナンス掲示板
本人訴訟でトラストレンディングに勝訴!全額賠償を勝ち取る

資金転用問題

元金の返済について、当初は、上記投資用不動産の売却もしくは借り換えによる返済を想定しておりました。

しかしながら、今般当社は、事業者AHが、4月25日に上記投資用不動産を売却しておきながら、その売却代金を、別のファンドに係る借入金の返済原資に充当した事実を認識いたしました。

現在、本件ファンドに紐づく投資用不動産を事業者AHは所有しておらず、従いまして、5月31日の利払いの原資となる賃料収入も得られない以上は、最終返済日が7月1日のローンにつきましては、延滞として取り扱うことが適切な状況にあるとの判断に至りました。

【千葉県我孫子市 不動産ローンファンドの報告 2019年6年5月】

このファンドは現時点では完済となっていますが、「別のファンドに係る借入金の返済原資に充当」とハッキリ言っています。これは明らかな違反行為です。

AH社ファンドのスキーム図

しかも、AH社とキャッシュフローファイナンスは共に根本氏が運営している企業です。それにも関わらず他人事のように「事業者AHが、4月25日に上記投資用不動産を売却しておきながら、その売却代金を、別のファンドに係る借入金の返済原資に充当した事実を認識いたしました」と言っている点に違和感を覚えます。

カナメ先生の見解&コメント

根本氏に悪意があったのか?それとも能力不足だったのか?
私には確認のしようがありませんが、現時点での焦点は以下になります。

・募集時に嘘をついていたか?
・募集時に公表すべき情報を隠していたか?
・最終資金需要者(企業)は今も経営を続けているのか?
・ファンド募集時の資金用途以外の資金使用はなかったか?

ユーザー様からのリクエストにより今年最後の記事は「キャッシュフローファイナンス事件を完全解説」になりました。当サイトらしい締めくくりになったと思います。

2021年も油断せずに堅実な投資を続けていきましょう。

2021年は1月7日(木)に記事追加を予定しております。

カナメ先生
この記事を書いた人
21歳から投資をはじめて投資歴23年。ソーシャルレンディング歴8年。運用資産4億円以上。
IT会社経営、薬局経営、新築アパート投資、株式投資、REIT投資、クラファン投資などの幅広い経験が武器であり、「凡人なりに出来ることをコツコツと堅実に行うこと」がモットーです。
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一言掲示板 : 情報交換、改善希望、質問など
[1847] no name(2021-01-18 18:11:05)
私も警察に相談に行きました。地元の警察なので彼らが直接動くわけではなく、管轄部署に情報連携すると言われて終わりました。それでも被害報告が重なれば動く可能性もあるかと思います。最も責任があるはずの金融庁が野放しにしてるとしか思えないのが腹立たしい。弁護士さんにも相談をしようと思っています。
[1307] no name(2021-01-09 13:55:42)
まとめありがとうございます。警察に被害届を出しに行きました。
個人ではなく、投資家達で弁護士を立て、詐欺であった証拠を掴んでから被害届を出せと言われました。
捜査をするのは警察の仕事ですし、他の投資家に連絡する方法など無いので、警察の言っていることは怠慢だと思います。他の警察署なら違うのかもしれませんが。
最悪、集団訴訟するしかなさそうです。
[785] no name(2020-12-31 23:17:59)
これって刑事事件じゃないんですかね?
[651] AK(2020-12-29 23:34:51)
カナメ先生、今年も多々勉強になる記事をありがとうございました。お世話になりました。引き続き、来年もよろしくお願いいたします。
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