maneoマーケットに行政処分勧告の完全解説

2018年7月6日、証券取引等監視委員会が金融庁に「maneoマーケットに対する行政処分」を勧告しました。これにより金融庁は勧告の内容を精査したうえでmaneoマーケットに対して行政処分をおこなうか判断します。

今回の行政処分勧告の発端となったのが「グリーンインフラレンディングの募集停止とNHK報道」です。

maneo	ソーシャルレンディング業界の最大手。ソーシャルレンディングプラットフォームの他社提供を行っており、グリーンインフラレンディングはプラットフォームを利用している企業の1社。
グリーンインフラ レンディング	maneoの提供するプラットフォームを利用して数百億円の資金を集めていたが、その資金のほとんどが親会社であるJCサービス社に集められていたことが問題視されている。
JCサービス社	子会社である「グリーンインフラレンディング」を通して、投資家から数百億円の資金を集めていたが、募集内容とは異なる事業に支出していることが発覚した。

行政処分勧告ではグリーンインフラレンディングの虚偽表示を見過ごしていたことが問題とされています。本来であればグリーンインフラレンディングと借り手（JCサービス社）に対して監視を行う義務があります。

maneoとしては「当社はプラットフォームを提供しているだけなのでグリーンインフラレンディングの自主管理に任せたい」というのが本音だと思いますが、グリーンインフラレンディングは第二種金融商品取引業の資格すら持っていないので、責任はmaneoにあると判断されても仕方のないところです。

グリーンインフラレンディングのホームページに記載されている情報によると7月7日時点の「事業性ローンデフォルト発生金額（延滞中）」という項目の案件数が1,436件、金額が13,369,110,000円（約133億円）となっています。

私は「maneoとグリーンインフラレンディングは別物」だと認識していたので、グリーンインフラレンディングが投資対象に入ることはありませんでした。

しかし、投資家の中には「maneoファミリーだから安心」だと思って投資している人も多く、maneoがグリーンインフラレンディングの口座開設を促進していたことも間違いはありません。

さらに言えば、グリーンインフラレンディングは第二種金融商品取引業の資格を持っていないので、法律上の監視義務と責任はmaneoにあると言えるでしょう。つまり、「流用したのはmaneoではないが、数十億～数百億の流用を見逃した責任はmaneoにある」という判断です。